近年アイドリングストップ付き車やHV車などが普及したことで数年前よりもバッテリが多種多様になっています。
さらにカーナビや後席モニターはもはや当たり前の装備になりつつあり、それに加えあらゆる機能が電子化され便利な機能が増えたことでより大きな電力が必要になりバッテリもより性能が良い物が標準で装着されています。
と言うことで今回はバッテリのサイズの見方や種類の解説します。
目次
バッテリサイズの見方と種類
バッテリのサイズと種類は必ずバッテリの上面に記載されているのでご自身の車でご確認ください。
一般的なバッテリ
性能ランク | 高さ× 奥行 | 横幅 | プラス端子の 位置 |
---|---|---|---|
40 | B | 19 | R |
50 | D | 24 | R |
今のところ多くの車両に装着されている一般的なバッテリ。
しかしカーバッテリのサイズを知る上での基本中の基本と言ったところです!!
・性能ランク(例、40)
数値が高いほど性能が良くなり同等ランクかそれ以上を選びましょう。以下だと早期バッテリ上がりの原因になります。
・高さ×奥行き(例、B)
A.B.Dの3種類あり(正確にはA〜Hまでありますが乗用車では3種類しか見たことが無い)ローマ字が進むに連れてサイズが大きくなります。ただしAとBの端子サイズ同じでDは端子が太くなっています。例えば40B19Lのバッテリに50D24Lは取り付けできません。
ちなみに軽四のバッテリサイズにはAがありますがBでも取り付け可能なの。
・横幅(例、19)
こちらも数値が高いほど横幅大きくなります。
この数値が現状のバッテリより大きい場合は収納できなく可能性があるので同等の数値の物を選びましょう。
・プラス端子の位置(例、R)
端子を奥に見てプラス端子が右側ならR(プラス端子には赤色または黒色のカバーで端子保護されています)左ならL。
端子向きが違うバッテリは装着できないことが多いので注意が必要。
一般的なと言う言葉を使用しましたがアイドリングストップ車やHV車の普及により最近の車のバッテリはむしろこの表記のバッテリが少なくなっています。
アイドリングストップ付き車のバッテリ
バッテリサイズ | 性能ランク | プラス端子の位置 |
---|---|---|
M | 42 | R(Lは表記無し) |
Q | 85 |
・バッテリサイズ(例、Q)
一般的なバッテリとは違い「縦×横×高さ」をひとまとめにしてM.Q.Sなどのアルファベットで記載しています。
このアルファベットを変更するとサイズが大きくなり装着できない可能性があるので必ず同等の物を選びましょう。
・性能ランク(例、85)
数字で表記された性能ランクは同等かそれ以外の物を選びましょう。
・プラス端子位置(例、R)
端子の位置の見方は一般的なバッテリと同じ。ただしプラス端子の表記はLの場合は「表記無し」。Rの場合のみ「性能ランクの後ろにR(例、M−42R)」が表記されています。
・補足
アイドリングストップ付き車は信号待ちなどでエンジンが止まり放電するため通常のバッテリよりも性能がいいバッテリが装着されています。このため価格が高いのが難点。
しかし車種によってはアイドリングストップ無し車でもこの規格のバッテリが装着されていたりしますが、アイドリングストップ付き車でも無し車でも必ず表記通りのバッテリを装着しましょう。
HV車の補機バッテリ
特殊構造 | 性能ランク | 高さ×奥行き サイズ | 横幅サイズ | プラス端子の 位置 |
---|---|---|---|---|
S | 34 | B | 20 | R |
S | 46 | B | 24 | R |
HVの補機バッテリは頭に「S」が記載されています。
このSはバッテリ内のガスをバッテリ外に放出する機構があり、放出されたガスを室外に排出させるパイプが取り付けれる穴が設けられています。このため一般的なバッテリより特殊な構造になっているのでバッテリの価格も高くなっています。
またトヨタのHV車のほとんどが室内に補機バッテリが装着されており、通常のバッテリを取り付けてしまうとバッテリから放出されたガスが室内に充満し危険なので室外に排出するためのパイプを取り付けれるHV専用のバッテリに交換する必要があります。
それ以外の表記は一般的なバッテリと違いは無いので省略。
バッテリの種類
これまで紹介してきたのはバッテリの性能やサイズの見方で、ここで紹介するのはバッテリの構造の種類。
開栓型バッテリー
安価なバッテリはほとんどがこのタイプ。バッテリ液が蒸発し少なくなるので蒸留水を使用し上面の栓を開けバッテリ液を定期的に点検、補充する必要があります。
またバッテリ液が規定値より少なかったり多かったりすると性能が著しく低下するだけでなく最悪の場合バッテリが爆発し車両火災の元になります。
MFバッテリ(密閉型)
バッテリ表記に「MF」と記載されたバッテリは「メンテナンスフリー」と言う意味。蒸発したバッテリ液を循環させるのでバッテリ液が減りにくく点検、補充する必要がない種類のバッテリ。開栓型バッテリよりはやや高価になりますがメンテナンスしなくて良いと言うのが大きなメリット。
ちなみに何の記載も無いバッテリは「点検、補充する必要があるバッテリ」。MFと記載されていれば「メンテナンスの必要が無いバッテリ」と言うこと。
また密閉型には「ドライバッテリー」と言う種類もあります。ドライバッテリーで有名なのがアメリカメーカーのオプティマバッテリー。
このタイプは横にしても液漏れがなく、どの種類よりもバッテリ性能が優れています。さらに放電しにくいのも特長です。しかし価格が他種類のバッテリの数倍と高価なので僕は実際に見たことも、着けたことも、体感したこともありません(笑)
高品質に間違いはないですが金銭的に余裕があれば購入を検討してみては?程度!!
バッテリの平均寿命
これはあくまでも僕の経験から語りますが、通常のバッテリやアイドリングストップ用バッテリは3〜5年が平均的な寿命になります。
HVの補機バッテリはガソリンエンジン車ほど過酷に使用されてない為か5〜7年が寿命。しかし車の使用状況で変わるため10年持つ場合もあれば4年で寿命になる場合もありますが、HV車はバッテリが悪くなっても予兆がなく突然バッテリ上がりを起こすのでできれば5年前後で交換をおすすめします
バッテリ性能を上げることは可能なのか?
どのバッテリでも性能ランクのみ上がるのであれば可能です。
特に軽自動車は24B19Lなどの性能が低くいバッテリが標準で装着されていますが、40B19Lや46B19Lなどは性能ランクのみ上がっているので取り付けできます。
50D24Lのようにサイズ自体が大きくなっている物は基本には取り付けできませんが、車種によってはワンランク大きいサイズのバッテリを取り付けれたする車両もあります。しかし不確定要素なので現状のサイズで選ぶ方が間違いはないです。
また50B19Lや50B24Lなどぱっと見違いが無さそう記載でもバッテリサイズが大きくなっているので取り付けできないこともあります。バッテリの記載には紛らしい物もあるので気を付けましょう。
まとめ
バッテリにも色々な性能、サイズや種類があることが分かって頂けたと思います。
また今回紹介していませんが最近は欧州規格のバッテリなども(LN2など)標準で装着されていたりと更にバッテリの種類が増えつつあります………一度規格を統一させてもらいたいところです(苦笑)
ちなみに熟知している僕ら整備士でもごく稀に間違えることもあるのでご自身で購入して交換する場合は同等なバッテリと交換する事をおすすめします!
それではまた!