運転席や助手席ドアの動きが固い。バックドアの動きが悪い。ヒンジには必ず潤滑剤が塗布されていますが「動きが悪いからとりあえず潤滑剤を塗っておけ」と適当に塗ってはいませんか?
またあまり適当に塗りすぎると逆に動きを悪くする原因になる可能性があることをご存知ですか?
今回は簡単に使えて便利なエアゾールタイプ(スプレー缶)の潤滑剤の種類と正しい使い分けをご紹介します。
目次
潤滑剤の種類
1、潤滑油(オイルベース)
サラサラとしたオイルベースなので複雑な箇所にも入り込んでいく浸透性が高く錆を剥がす洗浄力もあり潤滑性能に優れているのが特長。
もっとも代表的な製品が「CRCクレ5-56」
プロが使用するのはワコーズの「ラスペネ」
潤滑性も高いですが浸透力、洗浄力が桁違いに優れ、その辺の潤滑油では緩まないサビたボルト、ナットをいとも簡単に緩めることができる性能がありますが業務用なので高価!
使用箇所
大体の製品は潤滑は錆びたボルトを緩めたり、サビで動かないニッパーなど工具の潤滑油として使用。
現場での実際の使用方法はサビついて回らないまた回っても動いが固いボルトやナットに塗布し浸透させて、高い洗浄力と潤滑性で緩めてると言った使い方をします。
ちなみに他の潤滑剤より水で流れやすいデメリットがあり、水が入り込みやすいドアや燃料コックなどのヒンジに塗ると潤滑油が流され高確率で錆びついて後々余計に動きが悪くなります。
潤滑油はほとんどの場合に「とりあえずこれでいいか」と使われる潤滑剤ですが【ドア、バックドア、燃料コック、ボンネット、ボンネットロックなど】外観のヒンジに塗るのは動きを悪くする原因になるので本当におすすめしません。
2、シリコングリス(グリスベース)
粘度があるグリスタイプなので浸透性はオイルタイプには劣りますがベタつきのおかげで潤滑性が長期間持続します。また防錆力に優れているだけではなく耐熱・耐水性に優れているのも特長。
しかしシリコングリスと一言で行っても高温に耐えれる物や粘度が高い物など多種多様ですがここではドアなどに塗れる一般的なシリコングリスの紹介です。
使用箇所
ブレーキ周りやドアやバックドアのヒンジに使用します。
特にドアやバックドアのヒンジにはエアゾールタイプにシリコングリスが最適ですが浸透性は悪いので「塗る、動かす」を繰り返して浸透させる必要があります。
車は水に濡れる部分がほとんどなので僕は潤滑油よりはシリコン系のグリスを使用頻度の方が断然多いです!
3、フッ素系潤滑剤
オイルタイプ
粉末タイプ
フッ素系潤滑剤はどちらかと言えば潤滑油ですが優れた製品なので個別に紹介します
潤滑油のような浸透性に優れた液状タイプや触れてもベタつきがなく潤滑剤付着したしないパウダータイプなど種類が豊富で潤滑油とシリコングリス両方の性能をかけ合わせた高耐久性、高性能潤滑剤です。その分価格も高価なので気軽に使用できないデメリットもあります。
使用箇所
窓ガラスを上げ下げした時に発生する「キー音」を止める為にガラス周りのゴムにフッ素潤滑剤を塗ると音を止めれます。他の潤滑剤ではベタつきが残るため潤滑剤がガラスに付着し汚す可能性がありますがフッ素系潤滑剤は乾くとサラサラとしているのでガラスを汚すこともありません。
もちろんドアなどのヒンジに塗ることも可能性。
また人が乗り降りする部分に潤滑剤を使用する場合でも、仮に触れても潤滑剤で汚すことがなく、さらに他の潤滑剤では汚れが付着し黒く変色しますが、油分や汚れが付着しにくく影響を受けにくいので潤滑剤を塗っているのに見た目の清潔も損ないません。目につく部分にも安心して塗れます。
高温などの特殊な条件下でなければ、むしろ何にでも使える万能潤滑剤。
個人的にはオールマイティーに使える「フッソオイル105」は1家に1本有ってもいいくらいのおすすめ潤滑剤だと思っています!
まとめ、感想
車のドア、バックドア、燃料コックなどのヒンジにクレ556などのオイルタイプの潤滑剤を塗ると一時的には動くが良くなります雨や水道水で流されすぐに動きが悪くなります。
そうならないように持続力のある「シリコングリス」か「フッ素系潤滑剤」を塗りヒンジの摺動性を長期間持続させましょう。
ただしクレ556を否定しているわけではなく可動部だと用途が違うとだけなので勘違いはしないで下さいね〜!